世界に広がるカレーの世界

小さな頃、実は、カレーライスがあまり得意ではなかった。

大好きな白いごはん、玉ねぎやじゃがいもやにんじん、そしてお肉。お皿の上すべてがカレー味に支配されている状況がなんとも苦手だった。

 

時間が経ち、大人になって、インド系の方のお店で食べるカレーが大好きになった。

スパイスから作った本場のカレーたちは、なんだか複雑で、バリエーションが豊かで、新たな世界の扉を開らいた感覚があった。

 

そんな折、とても気になる本に出会った。

その名も、『世界のカレー図鑑』 

 

この本では、まずはカレーとは?というところから話が始まる。

 確かに、カレーとは一体何なんだろう。スパイスで煮込んだ料理…?この本では、「多種の香辛料を使用した、米やパン、イモなどの主食と食べるおかず」「カレーパウダーを使った料理」と例外を加えて、カレーの定義としている。

歴史的な動きに動かされ、世界中に広がったインドの方々が、それぞれの場所で、故郷の味を引き継ぎ、進化してきた料理なんだと思うと、次に食べる時はさらに丁寧に味わいたくなる。もちろん、インド系の方々の影響ではなく、独自にスパイスで味付けをする料理を作っている地域もあり、それもまた興味深い。

 

そうして、ページをめくっていくと、続々と世界中のカレーが紹介されていく。世界中の様々なカレーが並ぶ様子からは、カレーという料理の懐の深さが滲み出ている。

カレーはもちろん、副菜や飲み物などのカレーといっしょにテーブルに並ぶ料理、食材や調味料、食文化やその国の歴史についてなどなど、興味深い情報が満載だ。 地球の歩き方というガイドブックの魅力は、情報量の多さとコラムだと常々思っているけれど、やっぱりそうだと改めて感じる。

この本を手に取ったときは、パラパラと眺めるつもりだったけれど、結局舐めるような目つきで隅々までじっくり読んだ。そして、カレーを食べたい気持ちに支配されることになる。

 

今回この本を読んで特に気になったのは中南米地域。青いカリブ海マチュピチュ、そしてパタゴニア。漠然とした憧れを持っている地域だけれど、これまでほとんど接点がなかったこともあり、この地域のことをまずほぼ知らなかった。こんなにもたくさんの国が、そして〜領や海外県なども多くあるんだと目が覚めた感覚があった。スペインなどの国との関わりの中で独自の進化を遂げているであろうカレー料理たちは、一層興味深く映ったのだろう。

とりあえず、トリニダード・トバゴのダブルスが食べたい。