『 ミミズの謎 』

 

 

畑を耕していると、土の中からいろいろな虫や生き物が出て来る。小さな虫たちが、有機物を分解して土を豊かにしてくれているんだと思うと、畑に生息している生き物たちについて知りたくなってくる。

そんな時に出会った本がこの本。これはおもしろそう!!だと、手に取ってみた。

 

暑い夏の日、歩道の上で干からびてしまったたくさんのミミズたち。たまに目にする日本の夏の光景。

この本は、作者の柴田康平さんが、そのようなミミズたちの姿に疑問を感じ、いまだ謎に包まれているミミズの生態を調査した様子が書かれている。

 

読んだ後の正直な感想は、毎日の調査は本当に大変だと思うけれど、それをこの本にまとめるくらいの結論にたどりついてすごいということ。

 ふしぎだと思ったことを、観察して、記録して、原因を探して、さらにわからない部分を調べて…読んでいると、なんとも楽しそうだけれど、毎朝決まった時間に決まった場所を調べることだけでも、ずいぶん大変なことですよねぇ…!その苦労を上回る情熱を保ち続けていることが本当にすてきだと思う。

 

そして、ミミズという生き物はなんともおもしろい生き物だということ。

ミミズは身近な生き物の一つなはずなのに、意外なほどに知っていることが少ないことを実感。

ミミズはゴカイやヒルと同じ環形動物の仲間で、たくさんの体節が連なった細長い体をしていて(これはなんとなく知っている)、成体になると体の中央よりも前側にできる環帯から分泌液を出して、体表をぬるぬるにして皮膚呼吸をしていて、普通はオスとメス両方の生殖器官を持っていて、他個体と交接して受精する。

おまけに、体節の表面には剛毛が生えていて、この剛毛を出したりひっこめたりして進んだり、夜になると巣穴から頭を出したりお散歩をしたり、さらには光るミミズまでいたりと、気になるミミズ情報をたくさん知ることができた。

 

ミミズの種類を同定できるようになるのは難易度が高そうだけれど、少し挑戦してみたいなぁ。